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消防設備とは

    1. 消防設備の必要性
      火災による人命安全の確保を図るため火災を早期に発見し、通報することにより初期消火、安全避難などを目的として、消防法令で消防設備の設置が義務付けられています。
      火災は、建物の規模・様態、用途または燃焼物体の種類、居住または利用するため出入りする人々等の様相、周囲条件または気象条件など、外的な面の条件の違い、その他消防活動の開始時期等により異なるので、画一的なものではありません。
      しかし、火災がもたらす影響は、公益的な見地から社会共同体としての人命の保護を第一に考えなければなりません。
      そして、平常時は全く使用されないが、火災発生時において、確実にその機能を発揮するものでなければならないという機能的な性能を要求されております。
      つまり、消防設備の設置は公共的な判断による部分が多く、なおかつ社会的な責任が存在するという理念に基づくものと考えます。
    2. 消防設備の種類
      高校生の皆さんが毎日通っている学校にも、設置されています。
      すぐ目につくのは、廊下の赤いランプや、昇降口などの緑色の人が走って逃げるマークです。また教室などの天井面をみると、丸いセンサーのようなものがついているのも、消防設備の一種です。
      皆さんに気づかれずに、そっと寄り添いながら、火災から見守っているという感覚です。
      消防法上は、大まかに言いますと、「消防の用に供する設備」「消防用水」「消火活動上必要な施設」などに大別されています。
      また、機能的には「消火」「警報」「避難」「消防用水」「消火活動」に大別できます。
      具体的には…

      • 消火設備
        消火器、屋内・外消火栓設備、スプリンクラー設備、不活性ガス消火設備、粉末消火設備、動力消防ポンプ設備など
      • 警報設備
        自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、漏電火災警報器、消防機関へ通報する火災報知設備など
      • 避難設備
        避難はしご、救助袋、誘導灯など
      • 消防用水
        防火水槽など
      • 消火活動上必要な施設
        排煙設備、連結散水設備、連結送水管など
    3. 消防設備の設置と点検
      消防法の第一条には、「生命、身体及び財産を火災から保護する…」と定められています。

(参考)

第一条  この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。
命、身体、財産を火災から守るために、関係法令に基づき、設置が義務付けられ、建物が完成した後は、適正に維持管理されなければなりません。
消防設備の設置工事や整備、そして維持管理のお仕事をするのが、「消防設備士」です。

消防設備士

  1. 消防設備士の種類
    万が一の火災の際に、財産や生命を守るための消防設備を保守するための仕事ですので、国家資格取得が必要で、独占的に仕事が出来ます。設備ごとに資格種別があります。下の概要表を参照ください。
    <消防設備士でなければ行ってはならない工事・設備の種類の概要表>

    消防設備士区分 消防設備等の種類 免状の種別
    甲種 乙種
    第1類 消火栓設備関係 工事・整備 整備
    第2類 泡系消火設備等
    第3類 ガス系消火設備等
    第4類 警報設備関係
    第5類 避難器具関係
    第6類 消火器
    第7類 漏電火災警報器
  2. 消防設備士の責務
    消防設備士は、その業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければなりません。上記の設備のうち、工事または整備については、消防設備士でなければ行ってはならないこととされています。
    これは、これらの業務について、強い公共性を認め、消防設備士に信託したものと考えます。したがって、消防設備士は、この社会的信託に応えなければならない十分な責任があると考えます。
    そのため、常日頃の姿勢が問われます。設備の構造や機能についての勉強や、関係法令に注意し、最新の知識と技能を有するように努力する姿勢が大切です。火災等の災害はいつ何時起きるか分かりません。分からないからこそ、“防火管理”という考え方重要になります。

    防火管理とは、火災の発生を未然に防止し、かつ万が一火災が発生した場合でもその被害を最小限にとどめるため、必要な万全の対策を樹立し実践することをいいます。
    火災発生時に速やかにその発生を知らせ、初期消火を行い、また迅速に避難が行え、さらに消防隊が有効に消火活動を行うことができれば被害を軽減できるでしょう。
    しかし、これらの行動のすべてを人間が行うことには限界があります。
    そこで大きな役割を担うのが、消防設備です。いざというときに適切に使え、有効に機能するよう、適切な設置工事と維持管理が、必要不可欠になります。

  3. 社会的な役割
    消防設備に関し、または消防法令に関して一定の知識及び技術を有する消防設備士は、社会的に見た場合に、「街の防災指導者」としての役割も大です。消防設備士に課せられた任務(適正な設計、施工、管理)を完遂して、社会的信頼を得て、その信望を高めていくことは、地域の防火思想の普及高揚に、多大なる効果をもたらすものと考えます。
    私たち東北消防設備は、〈消防設備士〉という国家資格の下、地域防災の一助となるべく、日々仕事をさせて頂いております。

住宅火災の主な原因

日本における火災による死亡の主な原因だけをみると、放火、たばこ、コンロ、たき火があげられます。たばこによる出火は禁煙率の低下に伴い、平成8年頃から減少傾向ですが、死者の発生した住宅火災の出火原因では、たばこの不始末が多いと言われています。

また、住宅火災の出火原因全体をみると、コンロ火災(天ぷら火災)が最も多いと言われています。「ちょっと目を離した隙に」「電話に出た隙に」というように、ちょっとした不注意が火災を招いています。コンロ火災では、コンロの炎が油に届かなければ着火しないと思い込んでいる人も多いかもしれませんが、天ぷら油は約380度くらいで過熱発火します。揚げ物をするときはその場を離れないようにしてください。

初期消火で防げるコンロ火災

出火原因が最も多いと言われるコンロ火災ですが、消火器による初期消火が7割以上成功しています。万が一火が出てしまった場合、消火器を使用した初期消火が大変有効です。

消火器について

消火器には、本体容器の中に消火薬剤と加圧用ガス容器を内蔵した「加圧式」と、消火薬剤と圧力源を封入した「蓄圧式」があります。

  • 蓄圧式
    本体容器内には、消火剤とともに、放射圧力源となる窒素ガスが常時蓄圧されており、レバーの操作によってサイホン管から、ホースを通って消火剤がノズルより放出されます。
  • 加圧式
    消火器のレバーを握ることにより、消火器本体に内蔵されている加圧用ガス容器内のガスが、ガス導入管を経由し、消火器内部全体に広がり、サイホン管からホースを通って消火剤がノズルより放出されます。

住宅用消火器と一般用消火器とがあります。

  • 住宅用消火器
    住宅火災に適した消火器として開発された蓄圧式消火器で、誰でも簡単に操作できます。薬剤の詰替はできません。また、使用期限又は試用期間が表示されています。
  • 一般用消火器
    普通火災(木材、紙、繊維などが燃える火災)、油火災(石油類その他の油類などが燃える火災)、電気火災(電気施設などの火災)と表記のある消火器です。法令で定められたところに置くための義務設置用消火器ですが、義務設置以外の場所でも設置は可能です。対応年数が表示されています。

消火器の正しい置き方

備え付けの高さは1.5m以下にし、手の届く場所に設置してください。ガスコンロやストーブなどには置かないようにし、屋外では必ず格納庫に入れて雨風にさらされないようにしてください。

こんな消火器は使ってはいけません!

消火器がたとえ使用期限内であっても、いざという時に不具合で使えなければ意味がありません。半年に1回程度、目視でチェックして下さい。

チェック項目

  • 層状はく離の腐食
  • あばた状の腐食
  • 溶接部とその周辺の腐食
  • 使用に耐えない変形
  • 使用に耐えない鋭いキズ
  • サビを落としても腐食の残るもの

※消火器のリサイクルについてはこちら

住宅用火災警報器の電池切れについて

現在普及している警報器の多くは電池式で、電池の寿命は10年が目安です。県内に設置されている警報器は10年を超えようとしているものが多いとみられますが、電池切れでは、いざというときに警報音が鳴りません。定期的に作動確認を行い、設置から10年を目安に本体ごと新品に交換してください。

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